綾都は私の側に来ると、私の頰にそっと手を添えた。
綾都…。
本物の綾都だ…っ。
伝わって来る温もりが本当に心地良くて。
安心できるその温もりに、自然と涙が溢れた。
「バカ…ちゃんと食って寝なきゃダメだろ。こんなに細くなりやがって」
『ごめんなさい』と口パクで呟くと、綾都はそっと優しく抱きしめてくれた。
久しぶりに感じる、綾都の優しくて温かな体温。
唯一安心できる温もりと爽やかな香水の香りが、私を包み込んでくれる。
「こうしててやるから、今は寝てろ。起きたら飯、食わせてやるから」
優しく頭をなでられ、私はそっと目を閉じた。
力を抜いて体を綾都の胸に預ければ、しっかりと私を支えて抱きしめてくれる。



