守りたいのはお前だけ




「なんだ、言ってみろ」


「うっ…!!」



兄貴が鋭い眼差しで俺を見る。


怖ぇ…。

めちゃくちゃ怖ぇ…。



兄貴相手に隠し事ができた試しはない。

遅かれ早かれ、絶対にバレる。



…くそ!!

しょうがない、言うしかねぇだろっ…。




「俺が亜美と一緒に寝てたんだよ」




言ったっ…!!



ソロッと恐る恐る兄貴を見ると、は?とでも言いたげな顔をしている。




……まぁ、そうなるよな。




「言っとくけど、不可抗力だからな。亜美が俺にくっ付いてくるんだから」


「あぁ、分かってる」



殴ってくると予想していた俺は、あっさりと俺の言葉を流した兄貴に驚いた。



…意外。


絶対殴ってくると思った。





「そうじゃなければ殴って顔を変形させてるところだ」


「……」



やっぱ怖い。


兄貴は兄貴だな…。