守りたいのはお前だけ




「ひとつ聞きたいんだけど、お前が亜美様の世話をしていた時、亜美様は普通に眠っていたか?」



……は?


普通に眠っていたか?




「そりゃ人間なんだから、普通に寝るだろ?」


「そうじゃなくて。うなされたりとか」



あぁ、そういうことか。



「日本に来て初めての日に、夢にうなされて眠らなかったな。祖母が亡くなってから毎日夢に出てくるとかで」



「そうか。その後もほとんど夜は眠ってないのか?」



「いや、俺が亜美と…」




俺は言いかけて止まった。



ちょっと待てよ?

これを言ったらマズくねぇか!?


亜美と一緒に寝てた、とか…!!



…殺される。

確実に兄貴の拳が飛んでくるっ…!!



「綾都?」


「あ、いや…その…」



ヤバイ。

すごくヤバイ。

かなりヤバイ。