「亜美、亜美…」



そのうち私は、笑うことも、泣くことも、怒ることもなくなって。


まるで感情のない、表情のない人形のように。


日本に来たばかりの頃の私に逆戻りしてしまった。



心はぽっかりと大きな穴が空いたように冷たくて。



綾都が隣にいないだけでこんなにも変わってしまう自分に、自分自身が驚いた。



それほど綾都はわたしにとって、とても大きな存在で。


なくてはならない存在だったんだと気づかされる。



使用人の女の人や世話係のおばあさんが私の面倒を見てくれて。

お姉ちゃんが仕事で忙しい中、毎日私に元気になってもらおうと声をかけてくれるけど、今の私には……何も届かなかった。