私の目から溢れる涙を優しく拭うと、言葉をつなげた。
「亜美、綾都くんは決して亜美が嫌になったから離れて行ったんじゃない。
綾都くんだって、仕方なく亜美から離れたのよ」
仕方なく…?
「私は亜美のお姉さんで、亜美を本当に大切に思ってるわ。綾都くんは亜美が傷つかないように、祖父たちから守るのが任務。
つまり、亜美が私の家に引っ越したってことは、もう亜美を傷つける人はいなくなったってこと」
そ、それじゃ…綾都は…!!
ハッとしてお姉ちゃんを見ると、ゆっくりと頷いた。
「綾都くんは、もう亜美の側に付いている必要がなくなってしまったのよ」
「っ…!!」
やだ…。
やだよ…。



