距離0センチ






屋台を見ながら、立花君と手を繋ぎ歩く。




「混んでますね」


「そうだね」





カップルや家族、友達どうし……たくさんの人で溢れてる。



この中にいる私たちは、どう見られているんだろうか……




……恋人どうし


「恋人どうし」


「えっ?」





私は驚きの声をあげる。



心の中で浮かんだ言葉を、見透かしていたかのように立花君が口にしたから。