「それに、今日の紫乃先輩は一段と可愛いから、俺から離れないようにしたいんです」 「……馬鹿」 照れて冷たい対応の私に、立花君は笑ってリードしてくれる。 「甘え上手な年下のくせに……」 聞こえないくらいの声で呟いた。 「何か言いましたか?」 「ううん、何も。ほら行こう?」 気づくと、目の前には屋台が立ち並んでいる。