「……」 ベッドに寝っ転がり、天井を見上げる。 さっきまでのことを思い出しては、 電話していた右耳が、立花君の声に集中していたと分かるくらい、疼いていた。 「…耳が心臓になったみたい」 ふわふわしたいい気持ちの中、その日私は眠りについた。 花火大会は二週間後だ。