ドアのところには、私をまっすぐに見つめる立花君がいる。 目が合った。 「紫乃先輩!」 彼はぱあっと笑顔になって、私たちの所に来る。 まるで弾むように足を進ませ、私を見つめ一直線にやってくる。 まるで、パタパタと尻尾を振っていそうな。 動物で言うと……あれだ。 例えるなら、 「……忠犬」 ボソッと言った私の言葉を聞いて、由結が吹き出すように笑った。