花火大会のあと、駅を降りて別れようとしたら立花君が送ると言い出して、私は遅いからいいって言ったら、

「遅いから送るんじゃないですか!送らせてください」

と、押しに押されて家まで送ってくれた。



駅から家までそんなに遠くないから、本当に心配することなかったのに。


15分ほどで家の前に着いた。

いつもならもうちょっと短いけど、たぶんゆっくり歩いたから。


帰りが遅くなったことを申し訳ないと思ったのか、両親の心配をしたけど、私が大丈夫だからと言ってそのまま帰ってもらった。



だって、親になんて紹介するの?

お友達?後輩?


なんか違うし、そんな言葉で表せない。

表せない、表したくない存在になったんだと思う。



あの帰り道の15分間で、私の中でそう感じるようになったようだ。



別れ際の立花君の顔を、花火大会の日から何度も思い出してる。


暗い夜道なのに、鮮明に見えて、いつもの笑顔で、真っ直ぐな目で、キラキラしてた。