距離0センチ





最後の大きな花火が打ち終わった。

あたりは静かになった。




「……」


「……」


「終わっちゃったね」


「そうですね」



私は柵から離れて、立花君の方を向く。



「今日は誘ってくれてありがとう。楽しかった」


「いえ、俺も楽しかったし、可愛い先輩を見れて嬉しかったです!
紫乃先輩と来れてよかったです。ありがとうございました。」



可愛いとか私と来れて良かったとか……そういったことを、
面と向かって言われるとやっぱり照れる。


でもその言葉が嬉しい。