「もう少しで花火が上がる時間だね」 「そうですね」 2人とも携帯で時間を確認する。 立花君は何やら考えこんで、いきなり私の手を握った。 「なっ、なに?」 「とっておきの場所があります!行きませんか?」 とっておきの場所……? 立花君は意気込んでいて、よほど行きたいらしい。 「行ってみたい」 「はい!こっちです」 またギュッと手を握り直して、立花君はゆっくり歩き出した。