心の中は申し訳ない気持ちでいっぱいなのに…
それでも彼を思い出すことはできず、小さく会釈してから私は自分の席についた。
ホームルームでも考えていたけれどやはり思い出せなかった。
ホームルームも中盤にさしかかる頃、最初だから、という理由で先生が自己紹介大会を始めた。
クラスが一番ウケた自己紹介をした奴が勝ち、だそうだ。
要らない、そんな大会…
「神永 和と言います、よろしくお願いします。」
名前の順で自己紹介するので私の順番は割と早く回ってきた。
自己紹介大会なんて下らないことに参加するつもりは無い。
自己紹介は短く簡潔に、だ。
そういえばさっきの人は…?
「さっきはお騒がせしました!西山中出身、近衛 瀬奈(このえ せな)です!
友達100人目指してます!とゆーことで、皆仲良くしてねー☆」
うっわぁ…
チャラい…
私の中でそいつを覚える価値なし、と判断した瞬間だったーーーー…

