「眠れなかった…」

次の日、ひどい顔で登校した。

唯にキスされた日、あまりのパニックで私はその場から逃げ出した。

女の子の唯にキスされたことにときめいてしまっている自分を必死で否定して…ときめいて…の繰り返しで気付けば朝。

「どうしよう、唯にどんな顔して会えば…いやこんなひどい顔なんだけど…」

独り言を言っている私の肩にいつもの衝撃がくる。

「あかり!おはよう!」

「ゆ、唯!」

「昨日は大丈夫だった?ごめんな、帰っちゃって…無事に帰れた?」

いやいや、どっちかというと私が先に帰っちゃったよね!?なに!?どんだけ優しいの?ていうか何でこんないつも通りなのー!?

心の中ではいろんなツッコミをしているけど、私は顔を真っ赤にして口をパクパクとしかできないでいる。

「あかり、どうした?大丈夫?」

「ご、ごめん!今は無理!!」

私は唯を振り払って逃げた。