目が覚めた。

「保健室だよね、頭痛い、もう下校時刻パターン?気絶して下校時刻ってもう病院に連れてけ!って話だよね」

「起きた?」

不機嫌な声が聞こえてくる。

「あー唯!ごめんね…まさかずっと待ってくれてたの?唯、今日バイトだったのにごめんね!」

間髪入れずに話す私に、唯が少し戸惑った顔をする。

「やっぱ唯って優しいなあ」

外から差し込む夕日に、唯が少し眩しそうに目を細める。

あ、綺麗だな…

唯は綺麗だ。ずっと、私は唯を見てた。綺麗な男の子がいるなって思って、どんな人なんだろうって考えてたら、どんどん引き込まれていってた。

女の子って気がついて、友達になってからも唯の内面の魅力に引き込まれていくばかり。


「好き」


その一言が、私の口からぽとりと落ちた。