僕の姉は美人だ。
色白な肌に長い睫毛、髪は目の上に綺麗に切り揃えられたショート。

「気持ち悪い!」

姉が悲鳴をあげる。

目の前に自分とそっくりな人間がいるんだから当たり前か。

「どうして同じ髪型にするんだよ!」

「面白いかと思って」

面白くない!と叫ぶ姉を後ろに、僕は鏡の前で、姉とそっくりな自分の顔を見つめた。

僕は、姉とそっくりだ。双子と言われるくらい。

だけど、中身は全然違う。

姉はお人好しの馬鹿だ。見た目が綺麗なだけあって高嶺の花な存在…それが原因か、姉に近づく奴らは、お世辞にもいい奴とは呼べなかった。

「そこは、賢い弟の出番だろ?」

僕は鏡の中の自分ににっと笑った。