だから、1度家に帰って用意をした。
高校の友達と私服で出かけることってあんまりないから
オシャレに思われたいけど、決めすぎるのも浮くし。
クローゼットを全開に開けて、何を着ようか考えた。
ダメージスキニーに、白い無地Tシャツ、カーキのロングカーディガン。
黒いショルダーバッグをななめにかけて、靴はスニーカー。
髪をゆる巻にして、リップは赤。
決まりすぎず、ラフすぎず。
そう思って考えたこのコーデ。
服決めるのにめっちゃ時間かかって、いつの間にか菜摘との待ち合わせ時間になってた。
時計を見て、慌てて家を出た。
「菜摘〜!」
駅のコンビニの前で菜摘が待っていた。
あたしは、名前を呼びながら手を振る。
「はい、遅刻魔美桜」
「ごめん…。何分過ぎてた?」
「5分。まぁいいよ、早く電車のろ」
「あ、うん」
菜摘は、しっかりしてる。遅刻なんて絶対しないし
責任感強くて、学級委員とか任されちゃうタイプ。
だからといって、無理やりリーダーシップを取りに行こうとしたり目立つことはしない。
あと、モテるのに彼氏を作らない。

