「えっと弓矢はどこかな…あった」
 朱鈴はそれを拾うと林のさらに深いところに行った。
 「……あ、やっぱりいた!」
朱鈴の目の前には金色の小鹿がいた。
 朱鈴は目いっぱい矢を引っ張ると素早く離した。
ヒュンッ!!  ドッ…
 鈍い音がして小鹿は倒れた。
「やったー!!鹿肉おいしいんだよね!でも色が変だな…まいっか」
 朱鈴は小屋に帰り鍋と短剣を出してきて鹿肉を料理した。そして食べてしまったのである。
 朱鈴は気付かなかった。食べてしまった金色の鹿は村の祠に描かれたレリーフの「神の使い」であることを。