孤独な王子様

おじさんと別れた後、王子様は心なしか彼のことを心配していました。



果たして彼は愛する娘とあえるのでしょうか。



病室のドアの僅かな隙間から様子を伺います。



おじさんはやはり歯をくいしばり、腕のみで這って進んでいました。



唸り声をあげて、汗を額に滲ませながら。



王子様は飛び出して、あの少女を呼び出そうとドアに手をかけました。



でも間もなく彼は先生に連れていかれました。



絶対安静だと言ったのに!とお叱りを受けながら。


娘に会えずさようなら。



王子様は心が傷んだような気がしました。