遠くから、咲輝を呼ぶ声がした。
この声には…聞き覚えがある…。
嫌な予感がする…。
「おそい…何してたの。男?」
「はぁはぁ……これでも走っきたんだから、許して?…」
「やっぱ男なんだ。否定しないじゃん」
「ちっ、ちがうよ!!さきちゃん以外の男子は怖いもん…っ!」
「……ずりぃ…//」
あれは…本当に咲輝なの…?
あんな幸せそうな顔してる咲輝なんて、知らない。
あんな余裕ない顔も知らない。
女子の頬を赤くする側じゃない咲輝なんて、知らない…。
それに…咲輝がヤキモチやくとこも初めて見た。
そしてなにより…。

