「これで終わります」



先輩が、手元にあった資料を閉じる。


やっと終わったあ!


長かったよ…。



「花子!俺、ちょっと行ってくるわ!」

「はあ?どこに?」

「由宇先輩んとこ!」


そう言って、ダッシュで前まで走っていった。


ああ!

あの可愛い先輩、由宇先輩って言うんだ!

名前まで可愛いなぁ。



「芽衣〜帰ろ〜」


ちょうど、咲輝が来た。


「うん!」

「あれ?太郎ちゃんは?」

「…由宇先輩のとこ」

「…マジだ。あいつ…ほんと」


呆れてるみたい。

いつもは、あんたもあんな感じだよ!って言ってやりたいけど、さすがに我慢…。






「…やっぱり今日は、先に帰ってて」


「…え?」

 


急に、咲輝が言い出した。

なんで?!

あたし、なんかした?!


「ごめん、用できた〜また後でね」


咲輝は、生徒会室から出て行ってしまった。


まさか…女の子じゃないよね…?

さっきの子とか?!

やだ…。

あたしより、そっちを優先するの?





また、咲輝に振り回されてる…。