「ねえっ…あれって…」

「咲輝くんじゃん!!!やば!!!めっちゃカッコイイ!!!」

「声、かけちゃう?♡」


廊下を三人で歩いて、生徒会室に向かってる。

そこで、集まりがあるらしい。


…ただ、歩いてるだけなのに、キャーキャー言われてる咲輝くん…。

今にも女子に囲まれそうだよ…。



すごいなぁ…咲輝って…。

まあ、毎日思ってるけどさ…。

隣を歩いてるはずなのに、あたしのことなんて誰も見ない。


なにげに、山田も可愛い〜って言われて有名人だし…。

あたし、ここに居ていいのかな…。


「おいっ…!花子…!」


山田が、咲輝にバレないように、こそこそとあたしを呼んでる。


「…なに…?」

「咲輝、やっぱり機嫌よくね…?さっきからずっと上の空だし…。なんか、知らねー奴みたいに見えんだよな…」



……確かに…。

いつもだったら、周りの視線に気づいて、手を振ったりしてるのに…。

今日は、自分の世界って感じ…。


怪しい…。