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『そうそう、明石に教えたの私だよ』

友人の樹里に累くんと再会したこと、その上同じマンションに引っ越してきたことを電話で相談すると、あっさり自供した。

2時間ドラマもびっくりの超展開に脱力すると同時に、怒りがこみあげてくる。

「もう!!何で教えちゃったのよ……。累くんがどういう人か知ってるでしょ!?」

付き合いの長い樹里は親友であると同時に、累くんがどういう人なのか理解している数少ない人物でもある。

私がどれだけ彼に振り回されてきたか知っているというのに、簡単に居所を教えてしまうなんて裏切られたような気持ちになる。

『ごめんごめん。でも、そろそろあんた達も決着をつける時期なのかなって思ってさあ……』

樹里は焦ったように慌てて弁解した。