夜に象

上に乗っかって、と まだ乾いている彼女を 運転席に座る自分の上にまたがらせた。

夜は0.02ミリの境界線を引かない彼に寂しさを感じる。
東京は座ったまま 乾いた彼女を貫いた。
苦しそうな声を上げる 息を吸うしかしない彼女の腰を掴んだまま また東京は目を閉じたまま ひっきりなしに腰を振り続けた。
車が縦に揺れる。彼女の腕が首回りにまわり
耳元に息が吹きかかり 無性に興奮を覚えた。