夕希。

それは私の名前。

夕陽の夕に、希望の希で夕希。

私はこの名前が好きじゃない。

だってなんだか、終わるみたいじゃないか。

この世が。

夕陽は一日が終わる時にやってくる。

夕陽はとても綺麗で。

それでいて儚い。

だから私は夕陽が嫌い。

綺麗すぎて、私が触ると穢れてしまいそうになるから。

怖いから。

そんなどうでもいい理由を延々と並べて、私はまた現実から逃げる。

しょうがないじゃないか。

人間は弱いのだから。

すぐに逃げる。