「…家どこ?」
『ぅっ…えっ?』
「送ってく」
'…えっ?'
「悪かったよ、言い過ぎた」
『……う、うん』
'あ…じゃない、駄目だ'
『あたし、今日は寄るとこあるから次で降りるし、平気!!』
「沢西駅前ー沢西駅前ー」
車内にアナウンスが鳴った。
『じゃあ、帰る』
「待った!」
そう言うと青山流空は私の手から携帯を不器用に奪い取った。
ピピピッ
「これ、俺の番号だから家帰ったら連絡して」
'…………。'
私は青山流空をキッと睨むとバスをあとにした。
『…あいつ意味わかんない』
'うざいんだか優しいんだか…'

