堰を切ったように、友人達が口々に彼のことを言う。


あぁあ、そんな風に思っていたのか、とか。

これであたしがまだ好きなんて言い出したらどうするのだろう、とか。


いろんなことを考えながら聞いていた。


どれもこれも、ごもっともなお話で、あたしも客観的に見て、とんでもない人とつきあっていたんだな、と改めて思う。



「お金貸せとかいう時点でもう駄目じゃん?」


友人達の思う『彼ってこんな人』話はなおも続く。
そうね、でもお金貸してとかは結構早い段階で言われちゃってたからあたし全然気にならなくて、とか言ったらまずい気がするので、黙っておく。