皆に見送られ、お店をあとにする。


白一色でまとめられたブーケを持ち、平穏な顔で電車に乗るあたしは、ともすれば『友人に結婚祝いをしてもらった帰り道』に見えるかもしれないな、なんて思った。


沢山の人が行き交うホームで、あたしのことなんて
ましてや、あたしがかわいらしいブーケを持っていることなんて、誰も気にもとめていない。


その無関心さは、すがすがしくて


『消えてしまいたい』


と思った彼の気持ちが少しだけわかる気がした。