母親のせいで、集中力が切れた。気合いを入れるため、頬をパンパンと叩き
「よし、やろう!」と言って恵子を見ると、
「やっぱり、避妊はキチンとしてね」って、色っぽい声とポーズで言われた。
言われた一瞬、脳の活動が停止して、その後、目まぐるしく動き出す。
えっ、避妊って?・・・
えっ、避妊すればって?・・・
えっ、避妊すればいいの?・・・
えっ、していいの?・・・

頭ん中、グルグル、心臓、バクバク、たぶん、顔も、真っ赤になっていただろう。
「け、恵子・・・」
恵子を見つめる。
「やだな~アハハ、冗談に決まってるでしょ」と言って、俺の肩をバシバシと叩いて笑っている。
お、男の純情を返せ~・・・!と心の中で叫んだ。
フゥッとため息をついた俺を見て、
「本気にしちゃった!?」
「ば、馬鹿だな~。俺達は、プラスチックだろ」
「プラトニックねっ!」
そうそう、そのニックなんだよ。
俺は、顔で笑って心で泣いた。