着替えて下に降りようとすると、リビングから、恵子と、俺の母親との話し声が聞こえてくる。
恵子と、俺の母親は、仲がいい。実の親子の俺とより、仲がいいくらいだ。
なんで、女同士って、あんなに、キャイキャイと話せるんだろか?
「お待たせ~」と言うと、恵子が、こっちを向いて、俺の格好を一目見て、ハーッっとため息をついた。
「な、なに?」
と自分の格好を見てみるが、別段おかしなところはないと思う。
「ジャージ!?、デートなのに、ジャージ!?」
あぁ、なるほどねって思いながらも、
「これしかねーし」
恵子と母親が、顔を見合わせて同じようにため息をついて、首を振った。
お前ら、本当の親子か?
「ごめんね~恵子ちゃん、うちの子こんなだけど、見捨てないでね」恵子の両手を掴んで、母親が言うと、
「はい、お母様」と言って、恵子が握り返す。
お前ら、楽しんでるだろ!って内心思いながらも、女二人に勝てる訳がない。
「はいはい」っと言って玄関に向かうと、
「それでは、お母様、行ってきます」なんて、恵子がやっている
ハーっとため息をつきながら靴を履こうとしてたら、
「隆、隆!」って、母親に手招きで呼ばれた。
「何だよ?」って、恵子と入れ替わりにリビングに戻る。
「何?」って聞くと、
母親は、小声で「あんた、お
金は、持ってるの?」って、で、財布を取り出し、中身を確認する。「1000円くらいありそうだから、大丈夫じゃね」って言ったら、頭をパカンと叩かれた。「痛って~」何で?と思ってると
「あんたね~、小学生が遊びにいくんじゃないんだから・・・」まったくって言いながら、「ほらっ」って、5000円くれた。