創星15年。
 地球。夏。世界標準教育機関。





「よぉ、咲元!」
「あれ……瞬。久し振りに来たと思えば終了式?そんなんじゃ単位落とすよ?」

「んぁ?ばっか、お前どうせ就職口は決まってんだからよ。何だかんだ言って卒業させてくれるって。それにいざとなればお前がいるしな」
「全くもう……」



 僕等の学園は今日を最後に一ヶ月の夏休みに入る。それは古くからの慣習儀礼みたいなものだけど、普段から勉学に勤しんでる?僕等には唯一の癒し時間だ。

 殆ど学園に来ない幼馴染に対して僕は皮肉を込めて毎日が夏休みだろうと言ってやったけど、そんな瞬もやはり夏休みは夏休みで違うんだそう。

 そんな僕等の今一番の話題と言えばやっぱり年に一度の夏祭り。
 住み込みで学園生活を送る僕等には両親の下へ帰れる休暇の一つと言った貴重な夏休みだが、いい加減十年もこんな生活だと一々家に帰る気にもならない。
 だから今年の夏祭りは何をするか、それが僕と瞬の専らの話題だ。


 そんな事を互いに言い合っている時だった。ふと僕と瞬の間に一つの声が割り込んで来た。