「ないない。悪いけどタイプじゃないから。」

「だよな。悪いな。」

「いいよ、別に。」

この前の飯食いに行ったときか…

「桜には気をつけろよ。それだけは言っとくぞ。」

「石井さんまで?」

「ん?誰かにも言われたのか?」

「誰か分かんないけどね。」

石井さんも言うくらいだからなんかあったんだろうな。

「『狙った男は逃さない』、おまえ、狙われてんじゃねーの?」

「そんなことはないと思う。」

まさか自分が狙われてるわけないと思ってた。だって俺よりかっこいい人なんてたくさんいるから。

「さて、外来始めるぞ。吸収できることは吸収しろよ。」

「分かりました。」

石井さんの声とともに、俺たちは診察室へ移動した。