「いってきまーす」



この時間に家を出るのは久しぶりだ。



春休みが終わり、新学期
今日からは高校2年生




1年間過ぎるの、はやかったなぁ...
そんなことを思いながら通学路を歩いていると





「なずな!おはよーーーっ!」



バフッ



「!!??」


急に後ろから抱きつかれ、
驚いて何事かと後ろを向くと、



「なんだ、莉菜かぁ」

久々に見るその顔をみて溜息をつく。


「もう、なんだって何よ!
なずな見つけたから走ってきたのに!」



相変わらずこの子は明るいというか、
騒がしいというか...


そんな事を思っていると、


ゴンッ

「いったぁっ!」
鈍い音と同時に、叫び声



「莉菜、朝からうるさい、近所迷惑だろ。
少しは黙れよ」
と鈍い音の発信源



「なによ!だからって殴ることないじゃん!」


また喧嘩しだした...


こんな状況にはもう慣れっこだ。



さっきから騒いでいるのが、
幼馴染みの花宮莉菜(はなみやりな)。






莉菜を殴ったのが
同じく幼馴染みの江藤蓮(えとうれん)。





そして私が原岡なずな(はらおかなずな)。
2人とは5歳からの付き合いで、
親同士も仲が良い。
まあ腐れ縁ってやつだ。