「別にいいけどぉ」
複雑な気分だったが、それよりも
母親の初恋の相手への
興味が強かったので
ワクワクしながら返事をした。

「じゃぁ、旅行から帰ってきたら
　日にちを決めましょうね」

奈津は旅行後にも楽しみができたことが
うれしかった。
どんな人なのか・・・何度か
母親に尋ねたが秘密って
かわされてしまった。

そんな話をしている間に、
車の横を通りすぎていった自転車には
気付かなかった。

隆史は、今日は荷物も多いし
奈津をやはり迎えに向かっていた。