奈津はドキドキしていた。
今繋がれてる手から伝わる暖かさと
さっきの隆史の告白。

『あれはなんだったんだろう
 本気だったの?
 でも、まさかねぇ~
 このまま普段どおりにしよう』
それが奈津の答えだった。
ずるい考えかもしれないが
本気なら何か言ってくれるだろうと
考えた。

隆史の反応はいたって普通だったことを
考えると、きっと自分に
恥をかかせないためにあっくんに
あんな風に言ってくれたんだと
奈津は自分の中で処理した。

その後は、2人でご飯を食べて
おごると言った奈津を止めて
隆史は自分の分はちゃんと払った。

夕暮れに2人で電車に乗って
また帰ることにした。