『はぁ～、私ってば根性悪いなぁ』
と、少し反省して
これまでのことを、簡単に弘美に
説明してあげると、話が進むにつれて
安心した弘美は笑顔になっていった。

その話を聞いてる間・・・
正しくは耳には入っているが
素通りしているのは隆史。

「まぁね～」
と自分の顔を見ながらいたずらに
微笑んだ奈津の顔にみんなの前だから
だめだだめだと思いながらも
にやける自分がいた。
慌てて、緩む口元を手でかくしながら
奈津のことを見ていた。

『ちくしょぉぉぉ～～
　かわいいじゃねぇかぁ』
なんて心の中で絶叫中の隆史。

その姿に気付いたのは幸太郎だった。
「ぶっ」
吹き出した幸太郎。

あまりにもあからさまにうれしそうな
隆史はすべてを知ってる人間から
見れば、それはとても
滑稽に見えたのだ。

そんなやり取りには気付かずに
奈津は制服を買いに行くからと
伝えて帰って行った。