「こんなところででっかい声だして
 恥ずかしい女だなぁ~」

思わず、思ったことを声に出していた。

その声に振り向いた彼女は
真っ赤になりながら
また叫びながら前を進む女性の後を
追いかけて行った。

隆史はその真っ赤になった顔よりも
振り返った彼女の目が
とても大きくてそして潤んでいたことに
ドキドキした。

これが隆史が奈津に出会った日だった。