トラックの走り去った道は
一本道なので慌てて追いかけなくとも
その道をたどって行けば
あれだけ大きいトラックを
すぐには見失うことはないだろうと
焦ることなく自転車で
その道をたどって行った。

数分、自転車を漕いでいると
後ろから真っ赤な車が隆史の
横をすり抜けて行った。

田舎道には似合わない真っ赤な
車に隆史はなんだかワクワクする
自分の気持ちに気付いた。

自転車を漕ぐ足にも力がはいった。


やっとの思いでトラックと
赤い車をみつけた隆史は
少し距離をおいて様子を見ていた。