自分だったら・・・と考えると
母の決断はとても勇気の
いることだと思えた。
奈津は目の前で目を潤ませながら
話す母親に感謝の気持ちで
いっぱいになった。

それと同時に父親であるその人に
対して怒りが混みあげてきた。
どうして身重の母親を捨てたのか?

でもなによりも、母はなぜまた
その人と再会して愛し合うように
なったんだろう?
そんなひどいことをされたのに
なぜ、また許せるようになったのか
それが理解できなかった。

奈津はそのままの疑問を
母親にぶつけた。

「どうして??なんで?
 その人となんで、もぅ1度
 会おうと思ったの?
 なんでまた、好きになれるの?」
奈津はもぅ涙が堪えれなかった。
悲しいのか、悔しいのか、
どういう意味の涙なのかは本人にも
わからなかった。