隆史も奈津の姿に気付いて
驚いた顔をした。

そしてうれしそうな顔に変わって
奈津の方へ走ってきた。

「どうしたの?」
奈津は尋ねた。

「逢いたくなって来たけど・・
 ほんとに逢えた」
そう言ってニカって笑った。

その笑顔はとてもまぶしくて
解決しなくてはいけないことが
終わったことを意味していた。

奈津は弘美のことを考えて
また、切なくなった。
その表情を見て隆史もまた、
昨日の弘美のことを思いだしていた。