晩御飯にコンビニの弁当を買って家に帰ると、ダイニングテーブルの上に、美沙からの手紙があった。


美沙が退院してくる日までの献立のメニューが冷凍庫に入っていると書いてあった。

冷凍庫を開けてみると、わかりやすく曜日が全部に書いてあった。


そういう美沙の行動だけをみると、今までと同じ、しっかりした思いやりのある良き妻で、病院でのあんな行動が信じられなかった。


でも、あれも現実。


病院での半狂乱になった美沙を思いだしてしまう。


一体、美沙に何が起きてしまったんだろう。

俺達はこのままどうなっていくんだろう。



底知れぬ不安に怯えながらも、俺には何もできなかった。

美沙と顔をあわせる事ができず、入院中1度も顔をだす事はなかった。



何もできないどころか、俺は逃げてしまった。


何もかもに蓋をして、美沙の苦しみから眼をそらしたんだ。


美沙が何かに苦しんでる事に気づきながらも…。