順調に進んだ結婚生活は、決して長くは続かなかった。





生理の遅れに気づき病院へ行った日の事だった。



妊娠を医師から告げられ、その日は精一杯のごちそうの支度をして司の帰りを待つ。



インターフォンの音に、いそいそと司を出迎えた。



「お帰りなさーい!」


「ただいま。」


リビングに入った司が、ごちそうに目をみはる。



「あれっ、今日なんかの日だっけ?」



「実はね、報告があるの!

その前に早く着替えてきて。
ご飯あっためておくから。」



司が着替えてダイニングに座る。



私は開けたワインを司のグラスに注ぐ。


「実はね、とうとうできちゃったの。」


「え?」



「赤ちゃん。
今、4週目だって!」



「そうかぁ。」


司は私の喜びとは裏腹に少し困ったような顔をした。