「ねぇ、予定日もう過ぎてるって気付いてる?」


どうせ気付いてるわけない、そう思いながらも司の次の言葉を少しだけ期待してしまう。



「は?
知る訳ないだろ。
お前がなにも言わないんだから。

過ぎてんの?」



思いっきり期待はずれな司の冷たい言葉。


「そうだよね。
知る訳ないよね!

あたし達の事なんてどうでもいいんだから!」



期待した分だけ腹が立って、私は苛立ちを司にぶつける。



「疲れて帰ってきてんだから絡むなよ!
で、過ぎたらどうなんの?」



「明日、促進剤使って産む事になったから。」



私はムスッとしながら言った。



「急に言われても困るって!

前からわかってたんだろ。
そんな大事な事何でもっと早くに言わないんだよ!」



大事だなんて思ってないくせに…。



「本当に大事だって思ってるなら予定日ぐらい覚えてるでしょ、普通は…。

司がそんなんだから、ギリギリまで言い出せなかったんじゃない!

せめて予定日位は覚えててほしかったよ。」



私は泣きながら部屋に行き、明日の病院へ持って行く荷物を1人寂しくチェックする。