「井上のお陰で逃げずに母と向き合う事ができたんです。

井上は、ずっと側にいてくれて、優も今はすっかり井上に懐いてて…

このまま、井上と優を引き離していいのかなって…」



岡崎さんは暫くの間黙りこんだ。


子供達の寝息だけが静かな部屋で聞こえてくる。



「美沙さんの気持ちはどうなんですか?」




私の気持ち…
私はどうしたらいいんだろう?




「素直な気持ちのままでいいと思いますよ。」



岡崎さんがいつものように優しい視線をむけてくれる。



「やり直しはきくもんですよ。
愛情があればね。」



そう言って照れたように笑う岡崎さんの顔は、疲れた顔ではあったけど、とても愛情に溢れた笑顔だった。




その夜、寝る前に優と私の未来を考えてみた。



目をつぶると浮かんでくるのは私と優の隣には笑顔の司。




これが私が望む私達の未来?