楽しい食事も終わり、9時には優が寝てしまい、10時になると凌君も眠ってしまう。


でも、日中寝ていた翔君はなかなか寝付けないようだ。



私はそんな翔君の為に、布団の中で翔君に絵本を読み続ける。



ようやく12時近くに翔君が寝てくれた。


岡崎さんはまだ帰ってこない。


2人とも、いつも心細いんだろうなぁ。


私は少しの間、ソファーに座り休んでいるところに岡崎さんが帰ってきた。


「いやぁ、こんな時間まで申し訳ありません。
ご主人は?」



岡崎さんは疲れた顔で頭を下げながらも、まずこっちの事を気にかける。



「井上は出張なんです。
こちらの方が強引に押しかけたんですから…」



「いえ、本当に助かったんです。

正直、仕事もいつまでも休むわけにもいかなくて、どうしようかと思ってたんです。

私の親は早くに亡くなってるもんですから、頼れるような身内もいなくて途方にくれてたんですよ。

本当にありがとうございました。

家の中までこんなに綺麗にしてもらって…

ひどかったでしょ?
家の中の事だって、料理だって、子供達の事だって、何も満足にしてやれてないんです。」



疲れた顔で話す岡崎さん。



「じゃ、明日も来ていいんですよね?

翔君、微熱程度までは下がったんですけど、まだ保育園は無理でしょ。

井上が帰ってくるので、夕方には帰らなきゃなりませんけど…」



岡崎さんはよろしくお願いしますと、頭を下げた。



頼れる身内もなく、まだ幼い子供を抱えて働くというのは本当に大変な事なんだろう。



私にそれができるんだろうか。



優を抱え、たった1人で…。