「叩いたからって全て虐待な訳じゃない。

そんなだったら、躾なんてできなくなってしまう。」



「でも、私は自分がイライラしたから…
それを優にむけたんです。」




「でも、あなたはもう気付いてるでしょう。

優ちゃんを愛してる事に気付いてる。

そして、優ちゃんがあなたの事を愛してる事にも気付いてる。

あなたは絶対に大丈夫です。

虐待してしまった事で、誰よりも傷ついてたのはあなた自身じゃないですか。」




私は泣きながら頷く。



「私は、傷ついた事のある人間は、その分だけ優しく強くなれると思っています。

親に虐待されながら育ち、子供を虐待してしまった。

確かに許されない事で、その事実はどうする事もできないけど、そのつらさの分だけ、あなたは誰よりも優しく強くなれる筈です。

やり直してください。

誰の為でもない。

優ちゃんとあなたの為にも…。」



岡崎さんの言葉が優しく私の胸に響く。