私は涙でグシャグシャな顔のまま話を続ける。



「凌君に教えてもらったように、優と接してたら私も優も、変わっていく事ができたんです。

優は表情や、いろんな感情をだす事を覚えました。

私は、日に日に優をおもう気持ちが大きくなりました。

優に手を上げるような事はなくなってたんです。

不思議と井上も、家に帰ってくるようになって、家族でやり直せるんじゃないかって、そう思ってたんです。」




「そうではなかったんですか?」



「井上は、まだ女と続いてたんです。

今日、知りました。
井上が携帯を忘れて行って…

私見ない方がいいと思って…た…

でも、見てしまったんです。

そして…こん…こんな気持ちの…
時…時にかぎ…限って…」



しゃくり上げて話せなくなってしまう。


私は、たまらず両手で顔を覆った。



岡崎さんは、相変わらず黙って私が落ち着くのを待っていてくれる。



「優が全く言う事を聞かなくて、段々イライラしてしまって、優の頭を拳骨したら、私の指輪が当たってしまったんです。」




「叩く事は良くないですけど、私も凌や翔が言っても聞かない時は叩きますよ。
今日の事は虐待した事にはならない。」



岡崎さんはキッパリと言った。