1階に着くと


「ねえ、今日暇?」


「え?私ですか?」


「他に誰もいないけど。せっかくの金曜だし飲みに行かない?」


「えっ、でも、、」


「たまにはさ。や、たまにはってゆーか初めてだけど。2人でしか話せない悩みとかもしあればなって。」


「あー、、はい、分かりました。」








そう言ってやって来たのは

会社の最寄駅からすぐ近くの居酒屋。





1週間前のことを思い出す。


なんで目の前にいる人が木崎さんじゃないんだろう。





「ん?なんか俺の顔についてる?」



「あっ、いえ!」



「ふーん。まあいいや。じゃあ今週もお疲れ様でした!乾杯!」





荒谷チーフのこんな姿初めて見た。



会社ではあんなに仕事一筋って感じなのに

オフだとこんなに垢抜けてる人なんだ。





木崎さんもそうだったかもなぁ。





「一ノ瀬さん?」


「へっ?」



「今俺の話聞いてなかったろ?」



「えっ、、ごめんなさい。」



「いいけど。今日旦那さんは?」




「あー。仕事があって帰れないみたいで。」




「じゃあ空いてるんだ?」



「え?」




「金曜日、旦那は帰ってこない、明日は休み。この三拍子は飲むしかないね。」




そう言ってグラスを持たされ突然乾杯させられた。



あぁ、一気しろってことか。









会社のルールってわけじゃないけど

上司ってほんとこういうことしたがる。




木崎さんはそんなことなかったけど。


















あれ、どうしよ。


頭がフラついてきた。






私こんなにお酒弱かったっけ?