叶美は傷ついた私から離れようとはしなかった。


どうしよう、叶美がここから離れないと私が感染者になって叶美を食べてしまう。



私は悩んだあげく自分が思い残したことを叶美に押し付けた。



彼へのプロポーズだ。



私は体の力が抜け意識がなくなりかけたとき叶美は呟いた。



「酷いよ…プロポーズな自分からしないと」



と叶美は震えた声で言う。



本当に、そうね。



こうして私は、安城 美玲は人間として死んでしまったのだ。