呆然と頭が働かない。
男の人は拳銃を再び背中に担ぐと私に近寄り私の手を引いて立たせてくれた。
しかしそんな気力も起きない私はすぐに倒れてしまう。
男の人は優しくソファに私を座らせてくれると
「大丈夫か?」
と聞いてくれた。
わからないよ…。
今の数分で何が起きたの?
私の大切な物が砕け散ったような気がした。
「君は午前中どこにいたのか答えられる?」
と男の人は私の両手を優しく包み聞く。
「学校…。隣町の…。でも今朝は…」
と私は震える声で言うと男の人は
「今日の午前5時にとある施設で感染毒物をこの潮田川町に蔓延させたんだ。君はその毒物に触れなかったのだろう」
と男の人は言うと私は今気づいた。
父さん、母さんは感染されて男の人が殺した。でもそれは助けてくれたことであって恨む事ではない。

